漢方ダイエットを解明

漢方薬とは？

　漢方は、中国から伝わり日本で発達した医学の一つ。日本における中国系伝統医学の総称であり「漢（中国）に起源を持つ医学」という意味です。

　約2000年前の中国で体系化された伝統医学が、日本に伝えられ、日本の風土や日本人の体質に合わせて独自に発展しました。
江戸時代の末期に伝来した西洋系医学「蘭方」と対比するために「漢方」と呼ばれるようになったそうです。ちなみに、「漢方」という呼び方は日本独自のもので、中国にはない言葉。この日本の伝統医学で使用される薬が「漢方薬」ということになります。

　漢方は漢方薬による治療だけでなく、鍼灸（しんきゅう）や按摩（あんま）、食養生なども治療の対象になります。

漢方では、肥満を４つに分けている

● 脂肪太りタイプ

　いわゆる食べ過ぎの肥満タイプのこと。処方には、防風通聖散（ぼうふうつうしょうさん）や大柴胡湯（だいさいことう）などが使われる。おおまかには、体に溜まった悪いものを出す働きの生薬が含まれるので、緩下剤的な働きをもつ物が多い。

● 水太りタイプ

　あまり食べないのに水を飲んでも太るタイプ。虚弱気味、運動も苦手、冷え性気味で疲れやすく、むくみやすい傾向の新陳代謝が悪いタイプ。処方は、防已黄耆湯（ぼういおおぎとう）や五苓散（ごれいさん）などが代表的。利尿薬的な働きの生薬が含まれている物が多い。

● 血太りタイプ

　漢方でいう血太りとは、ホルモンバランスが崩れているタイプをいう。更年期を境に太った、出産の後に太ったなども多くはこの範疇のもので、処方に、桃核承気湯（とうかくじょうきとう）や桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）などがよく使われる。

● その他

最近の傾向として「ストレス太り」がある。過食症もこの範疇と考えられている。ストレスへの処方には、加味逍遥散（かみしょうようさん）などの、気の巡りを良くする処方を使う事もある。

漢方ダイエットのメリット

　ダイエットにおける漢方薬の役割は主に2つ。「体質改善」と「体のバランスを整える」ことにあります。

　たとえば「漢方薬で冷え性を改善して、便秘や貧血などを解消する」とか「漢方薬で気の巡りを良くして、乱れた自律神経を整える」などなど。便秘や自律神経の乱れといった、肥満の要因を改善することで「痩せやすい体」を作るというのが漢方薬の特長なのです。

　つまり、漢方薬は「飲むだけで痩せる」というわけではなく、「痩せやすい体」になるためにアプローチしてくれるというわけ。

　肥満の要因を取り除いていけば、体の不調も整ってくるので、ダイエット目的で漢方を飲んでいたとしても、一緒に健康的になれちゃうというのも魅力と言えるでしょう。